発酵料理家たやまさこです。
先日、発酵で取材をしていただき(秋発売)
私が感じている発酵とは?
・地域の食文化
・保存の術
・先人たちの知恵と工夫
・作るから食べる食べるから作る(実験で終わらない、作ったら食べきる)
・発酵は暮らしの中にあり続けるモノ
・人間が主体ではなくて、いい意味で自然界に左右される・・・・など
田舎にいると、発酵に使う材料は地元で手に入るし、お取り寄せをしない分、気候によってこの日に仕込む!と決められない。(お取り寄せの場合、自分が仕込むタイミングで材料調達が出来る)
鮒ずしはお天気で風のある日が最適で、前もって日にちを決めても天候によってズレる場合もあります。干物に近い状態に半日で完成するのは、太陽と風のお陰です。
今!というタイミングに人間が合わせるって、実はとても大切なことなんじゃないか?
自然界が主体と考えると、その中で生かさせていただいていること、個ではなく全体を見渡せる。そして、自然界に私が出来る事を考えるようになりました。大きな事ではないけれど
生ごみは小さく刻んで、畑に埋めたり、支柱は取ってきた竹を使ったり、昔の人が当たり前にしていたこと。
お店がなかったから、自分で作る他なかった。
家庭で使える電気の量も少なかったから、炊飯器とホットプレートとか、一緒に使うとブレーカー落ちたし。
部屋の匂い消しは、炒ったお茶だったし、モノを使い捨てる事ってなかったなぁ~。
買い物は近所の食料品屋さんで、お魚はビニールと新聞に包まれたし、卵も新聞に包まれてた。今のようにトレイに入ってなかったからゴミも出なかった。輪ゴムは母の腕にブレスのようにはめてあった(笑)
綺麗な包み紙は、また使うからと綺麗にたたまれて、お裾分けや頂き物のお礼の品を包んでました。
買ったものではなくて、家で作ったものがお返しだったなぁ~
食べ助けって言葉もあるんですよ。たくさんもらったり取れたものを、腐らさないよう貰ってもらい助けてもらうって意味です。
感謝の表現がモノですが、有難いなぁ~の循環。(モノだけのやり取りではないです)
一方通行ではない関係性。
人を紹介する繋げるということは、紹介してくれた人の顔をつぶさないようにねって言われてきました。
人への信頼感は、嘘がない、本音を話してくれるとか、、小手先で物事に取り組まないとかやりきるとか色々あると思いますが、それは発酵に向き合う時も同じだなぁ~と思います。
一つ一つの丁寧さが、出来上がりの美味しさにつながる。
今日もお友達と鮒ずしを漬けながら、鮒を洗う時えらが外れないように持つ事、なぜそうするのかを説明。
取材の最後に、他谷さんはこれからどうなりたいですか?と質問をいただき、目新しい事ではなくて、なぜそうするのか?何故この地域だけにその発酵食文化があるのか?先人の知恵と工夫に触れたい。
積み重ねて積み重ねて、70代になったころ、たやばーちゃん所に教わりに行こう。そうなっていたい。とお伝えしました。
地味な計画です(笑)
暮らしに発酵を取り入れるという事は、当たり前のことへの感謝。
どんどん発酵発酵って発信できなくなって、先人の知恵を受け継いでるだけだし、敬意と感謝を持つと、なんだか失礼な気がして。
いつか私が天に召されても、それは誰かに引き継がれていく。
先人達がそうであったように。
発酵は生きる力。
生きた証