発酵料理家たやまさこです。
うちの父(85歳)は昔、お漬物屋さんに丁稚奉公に行っていて、我が家のぬか床は何十年も前に父が作ってくれました。
三斗樽に、夏になるとナスやキュウリ、大根や葉っぱが漬けられてます。
太さにもよりますが、キュウリは8時間、ナスは12時間がちょうど食べ頃で逆算して漬けます。
そして、ぬか床にはお歳暮に頂いた新巻鮭の頭を焼いたたものや、梅の傷物、大豆の古くなって炊けないものが入ってます(笑)
最近は、へしこのアラを入れて
この硬い鮭やへしこの頭が、なんと!溶けてなくなるんです〜。ぬか床に居る乳酸菌達の働きって凄い!
ぬか床には、乳酸菌、酵母、酪酸菌達がいて、酸素があると活発(好気性)に、酸素がないと活発(嫌気性)になる様々な菌が織りなす世界
ぬか床を混ぜる人によっても、違いがあるんです♪私の手は酵母系なのか発酵が進みやすく、友人が「ぬか床がいまいち美味しくなくて」ちょっと見てとSOS!酸味があって、味に深みがない・・・。へしこの骨をぽきぽき折って入れて、底の方からよーく混ぜると、次の日にはめっちゃ美味しくなってる~と連絡が。ぬか床はほんと生きています♪活動するためのエサも大切です。
ぬか床のバランスが悪くなると、酸っぱすぎたり、生乾きの雑巾みたいな匂いとか、アンモニア臭やセメダイン臭、アルコール臭など。
ぬか床の適温(20~25度)、水分、酸素不足(毎日混ぜない)、塩不足、雑菌など様々な原因で起こります。
我が家は、へしこやぬか床、冬に漬けたぬか漬けは、漬物部屋に置いてあって、夏も暑くなっても30度くらい。
高島の冬は寒すぎて、ぬか床は一旦冬になると、塩で蓋をして春までお休みさせています。
都会は夏猛暑でぬか床のお世話が大変と聞きますが、冬でもぬか床に漬けられる環境。それぞれ場所によって、住んでる菌も違うし、生育も違って、それこそが家庭の味。私が子供のころは、よくお漬物の物々交換がありました(笑)
他の家庭の味を知る機会、昔は頻繁にあったなぁ~。