発酵料理家たやまさこです。
高島市には、お醤油・酢・味噌・麹・漬物・鮒ずしのお店が沢山あります。
家庭でも、毎年鮒ずし漬けてる方もいらっしゃいます。
普通に暮しの中に発酵が根付いている発酵するまちです。
寒暖の差があり、湿気も多くて発酵に適した環境。そして淡水文化で発酵に適したところは数少ないと思います。
高島では、弁当忘れても傘忘れるなということわざがあるほど、雨が多いです。
春のお彼岸頃に比良の八荒あれじまいといわれる、冬から春に季節が移行する最後に、天候が大荒れになり、それが終わって春になるので、それまで車のタイヤをノーマルにしないようにと言い伝えがあるんです。
発酵するまち高島を代表する素晴らしい湖里庵さんへ
先日、発酵を極めるオンライン講座を受講して下さった方々や高島の素晴らしい発酵食文化を堪能していただきたかった方々をお誘いして行って参りました。
お部屋に入ると、琵琶湖からの慈愛に包まれたような幸福感に満ち溢れ、とけ合う心地いい感覚に。
鮒ずし懐石まず一品目は、飯蒸し鮒ずしのうえに、肌寒い日だったのであんかけ。体が温まります。
雛祭りの月でもあるので、春めいたひな寿司の上には、春らしくこごみ。赤いでんぶは川エビのパウダーでした。
鮒ずしの甘露漬けは、鮒ずしを酒粕にもう一度漬けたものです。甘味があってとても食べやすいんです。
鴨ロース・手長海老と琵琶湖の恵みを堪能させていただきました。
岩床ナマズのかぶら蒸し。なまずって泥臭く生臭いイメージありますが、淡白な白身でとっても美味しいです。
鯉の造り。黄身酢ではなく、ちり酢で。
薄い焼き餅の上に焼いた鮒寿ずし。酸味のあるカラスミのようです。途中大根でお口直し。
鮎の稚魚、氷魚。昔はたくさん獲れたのでジュンジュンというすき焼きにして食べてました。
今や高級魚に!柔らかな酸味のジュレが氷魚の甘みを引き立たせ上品なあじわい。
鮒ずしパスタクリーミーさの中の酸味がクセになるお味!
あれとこれを混ぜたら近い味になるなーと妄想。
本モロコの炭火焼き3種類。
素焼き・ポン酢・地元の甘めの醤油を塗って、食欲をそそる香りが漂いました。幸せな香り。
モロコって、コイ目コイ科タモロコ属だそうで、鯉科だと初めて知りました。
鮒ずしの頭を炙り、椀物に。鮒ずしの身がとろけるー。下から混ぜず、味の変化を楽しむ。
よく父がお酒を飲んだ後、たべていた鮒ずし茶漬け。私達には身近な鮒ずしです。
鮒ずしを食べると消化が進み、お腹いっぱい食べたはずが、お腹が空いてくる(笑)
デザートは富田酒造さんの酒粕を使った、酒粕アイス。酒粕独特の風味がなく、お酒苦手な方も美味しく食べられる工夫がされてました。
先日、発酵デパートメントさんで琵琶湖発酵オンラインツアーにて、湖里庵の左嵜君が鮒ずしの深いお話されます。眉毛が照明で消えている私も映ってます(笑)
発酵はその土地の恵みを保存する術。