発酵料理家たやまさこです。
小松亭タマサート小松聖児×発酵料理家たやまさこ
素晴らしいラオス料理を作ってくれた小松君。ありがとうございました。
今回は昆虫食もお願いして。
私もイナゴを捕まえてみましたが、逃げるし(笑)何百匹捕まえて料理になるまでの労力を想像すると…。
以下、小松君のラオス料理の説明です。
①モックパーノーイ(淡水魚のバナナの葉包みハーブ蒸し)
琵琶湖の天然魚ビワヒガイがメイン。
他にもオイカワ、ワカサギ、ホンモロコ、デメモロコ、スゴモロコ、ゼゼラなどが混じってました。
種類が混じった「雑魚」の料理は極めてラオスぽく、かつ日本ではなかなかアクセス出来ないので、ご提供できた意義があったと思います。
バナナの葉は滋賀県産のバショウの葉です。
個人的に一番好きなラオス料理のひとつ。
琵琶湖の天然湖魚x琵琶湖天然湖魚の魚醤。
(ラオスでは、メコン川の天然魚xメコン川の天然魚醤)
香りは、ディル、細ネギ、紫玉ねぎ、コブミカン、レモングラス 、唐辛子、ニンニク、ショウガ
味付けは、琵琶湖天然魚醤(パデーク)だけ。塩分調整でナンプラーも少し使いました。とろみは餅米のしとぎ(漬水してからペーストにした状態)です。
②サイウア(ラオスのソーセージ ハーブ山盛り&魚醤味)
美味しく出来ました!
肉から挽きましたが脂多すぎたかなと反省。豚肉だけでは素直過ぎたので、天然イノシシのレバーと肺をミンチして野趣をプラスしました。
腸詰の皮は豚腸に限りますね。人工ケーシングは爆発しがち。
焼いて頂いてありがとうございます。
色々と入っていて、どう考えても美味しい、サイウアはご馳走です。
③ソムムー (豚肉の熟鮓)
豚皮をレモングラス 、カランガール、コブミカンの葉の香りを移したお湯で茹でて、皮下の脂肪層を掃除して細切りにしてから塩揉み→晒しを数回繰り返して脱脂、脱水。
塊の豚ヒレ肉から筋と脂を掃除して挽いて、塩で練ってから、ニンニク、ふやかした餅米おこわを加えて更に練り、少しナンプラーときび砂糖を加えて、唐辛子を埋め込んでラップ(ほんとはバナナの葉)で包んで空気を遮断して、嫌気発酵で常温で数日間(今回は4日間)乳酸発酵。
市販のひき肉を使うと食中毒の恐れがあるので、必ず塊肉を掃除して自分で挽いて使いましょう。脂を徹底的に掃除するのが小松亭タマサート式です。
ラオスではバナナの葉に包まれて売店の軒先にぶら下がったりしています。ビールの最強おつまみのひとつ。
④タムホイケーン(赤貝のタム)
前からやりたかったんですが、ついにやってやりました。お鮨屋さんで使うような大きな赤貝を剥いて少し茹でてから適宜に切って水気を除き、ニンニク、きび砂糖、唐辛子、蝦醤、蟹醤、淡水魚醤、キュウリ、トマト、ライム汁でタムにしました。
厳密にはタイ料理ですが、ラオス人は(海が無いからこそ?)シーフード大好きなのでメニューに入れました。
赤貝の爽やかな香りと「臭うまい」タムのソースがベストマッチな、個人的に食べたいやつです。
ラオスではタイ産の小型の赤貝の仲間、サルボウ貝を使います。
⑤ピンパーノーイ(淡水魚の塩焼き)
立て塩しておいた湖魚を、薪と炭で焼いてもらいました。これだけでも美味しい逸品。魚種それぞれ味が違って面白かったです。
ラオスで食べたあらゆる物の中で一番美味しかったのが、とれたてのメコン川の魚の塩焼きでした。
⑥コイパーノーイ(ラープに似た小魚のミント和え)
焼いた小魚を魚醤で和えて、ライム汁とミントを加えました。お米の粉などを入れたかったんですが、諸事情により未完に。準備不足を痛感、リベンジしたいです。
⑦トートタカテーン(イナゴ炒め)
レモングラス とコブミカンの香りを移した米油でイナゴをあげて取り置き、少量の油でイナゴを炒めつつ、きび砂糖とナンプラーで甘辛味にしたもの。
見た目はアレですが、おつまみ味で、初見の方でも一口目の抵抗感さえクリア出来れば、味覚的には全然抵抗ない味わいだと思います。
エビは海の味がしますが、イナゴは草の味がします。
ラオスではほとんどの市場で見かけます。バッタは天然がほとんど、こおろぎは天然と養殖があります。
虫系はそれなりのお値段します。グラム単価は牛肉よりはるかに高いです。
小松亭タマサートでは天然昆虫を使っています。
⑧ヂェオメンケーン(カメムシのヂェオ)
ニンニク、ショウガ、紫玉ねぎ、唐辛子を焼いて、蒸し焼きにしたカメムシと共に搗き潰して、魚醤で和えて小ネギを混ぜたもの。
材料を焼く際にサイウアから出た獣脂と焦臭がついてしまい、カメムシの香りを少しマスキングしてしまっていたので、その点をリベンジしたいです。
カメムシの香りは存分に感じて頂けたと思います。
最近は生きてるカメムシの香りを嗅いでもおいしそうと感じるようになりました。
ラオスの食用メンケーンは500円玉くらいある上にグリーンアップル系の爽やかな味で、そりゃ食べるよなと思います。
⑨カオニャオ(餅米おこわ)
ラオス人、日本人が一番食べたくなるラオス料理は何かという問いに対する解として「案外カオニャオなんじゃないか説」というのがあります。
これは僕だけでなく、複数人から言質を得られているので信憑性があると思います。
ラオスのお米は
もち、うるち、色米、香米、長粒、短粒、水稲、陸稲含めておびただしい種類があるので奥深いです。
美味しくて食べ過ぎてしまい、少し遅れてやってくる餅米の強烈な満腹感に動けなくなるあるある、というのを何回もやってしまいました。
オマケ
サバのキズシ
ラオス料理じゃない方の小松亭のキラーチューン
今年は海水温が高くて太平洋側のサバの脂乗りが遅れてるように感じます。現時点で良さそうな韓国の済州島の新物の冷凍サバのキズシ。締まりはまだですが脂は十分でした。とろける系キズシ。
魚醤から手作り!こだわりって領域を超えた「愛」
持ち寄りのお酒のラインナップ!さすが呑兵衛の会(笑)
参加メンバーさんもお手伝いしていただき、簡易かまどが出来て、ソーセージや魚を焼いていただきました。
人が集まると知恵が出ますね。
発酵舎mammaは、手取り足取りが無いので、「○○な感じでー」とお任せ!
知恵を出し合い、みなさん仕上げて行ってくださるんです。
お料理が完成して、乾杯〜。
私は鮒鮨飯ディップ、へしこにクリームチーズと干し柿を合わせたり、夏に漬けたウグイ熟鮓、色んな野菜を生や焼いたり。
ハッピー太郎君が持ってきてくれた、日野菜のお漬物。美味しくいただきました。
縁側が出来てから、発酵舎mammaが整った感がしています。(来てくださってる方は、感じて頂いてると思います)
そして、飲兵衛集まります(笑)
語らい、自分が見えてくる場所。
写真はオンライン講座の動画撮影でもお世話になっている川島さんが撮ってくれました。一部参加された方からもお借りして。
そして、岐阜から来てくれた神原明子さんのお誕生日を
真楽菓さんがご好意で作ってくださった、ローケーキでお祝い。
無理のない調和の味のローケーキ。美味しすぎて美味しすぎて、甘いもの苦手な方もぺろりと食べれましたと大絶賛!お教室もされてます。来春には高島で農家民宿open。
色んな方にサポートしていただいてる私、皆さまありがとうございます。