発酵料理家たやまさこです。
発酵がブームになり、「発酵」と書かれたものを目にすることが増えました。
何をもって「発酵」とするのか?
発酵食品を使っていたら発酵?
そもそも発酵ってどうして体に良いの?ここの理解って大事だな〜と思います。
菌達の営みは、人間にとって有用モノを発酵と言われ、発酵も腐敗も菌にとれば同じ働き。
菌の働きによって、原料成分の栄養素(タンパク質など)が分解されて、消化吸収しやすい状態になっています。
善玉菌(乳酸菌や麹菌、納豆菌、酵母菌、酢酸菌など)が豊富に含まれていて、腸内環境が整い、栄養をスムーズに吸収して体内に巡らせることができる。
例えば、お味噌。
麹の働きで、大豆のタンパク質が分解されて、ペプチド→アミノ酸→小腸で吸収されやすくなる。
短期間で仕上がるものより、数ヶ月かけて仕込んだお味噌の方が栄養価が高い。
今、おから味噌を仕込む方もいらっしゃいますが、栄養価が違うんです。
おからを消費したいから、おから味噌を作る・短期間で作れ手軽だから。
お味噌に何を求めますか?栄養を求めるなら、時間をかけて仕込む栄養価の高い味噌を使った方が良いです。
発酵に求めるものは何ですか?
体に良さそうだから。ではもったいない。
他のワークショップなどで発酵の○○を作ってみたけれど使い方がわからないと連絡をいただくと「何のためにそれを作ったの?目的は?」と質問します。
「目新しいから」は目的では無いです。
自分の暮らしに必要か?人がやってるからとかではなく、自分の暮らしで使っていくものか判断が大切だなぁ〜と思います。
目的意識は、ゴールを見据えて手順を組み立てる「段取りスキル」も必要となります。
大袈裟かもしれませんが、人生の充実やクオリティに繋がっていくんです。
こんなに沢山作れるって凄い!と言われますが、段取りスキルです。
始めた頃は、何日に買い出しして何日に下処理をして、料理をするかを書き出していました。
お料理を通して培ったコト、発酵を通して菌に教えてもらう感覚は、目には見えないタイミングが見事に合わさる日々となりました。
発酵は暮らしの中。
そして、自然界との対話のような気がしています。
発酵に何を求めますか?