発酵料理家たやまさこです。
発酵ブームで、アレンジの発酵がどんどん増えて、それは多くの方が発酵に関心を持ってとても素晴らしい事です。
作る・仕込む事が、日常・暮らしに繋がってるのかな?と感じる事もあります。
学べる機会が増えた分、発酵モノを作る仕込むことが目的で、食べる使うことに繋がっていなかったり…。
あぁ〜もったいない。
幼少期から、漬物、味噌はお家で作っていたし、お醤油はお醤油屋さんが家の樽にお醤油を入れに来てたり、お酒は一升瓶持って行って買ってた。
昔って「つけといて」で買い物出来たんですよ〜。カード決済とか無いし(笑)
琵琶湖側に住んでる知り合いの方が鮒鮨を作っていて、出来上がるとお裾分けしてもらったり。漬物の物々交換や、美味しいというと作り方のアドバイスをもらう。
母方の実家にはかばたといって、小屋の中に水が流れていて、保存食の貯蔵庫であったり、泥付きの野菜や鍋の洗い場でもあった。
鯉もいて、人が集まると、鯉を〆てお造りと、鯉のみそ汁が定番でした。
発酵食文化がある私達にとって、発酵は暮らし。
採れたものの保存として発酵があったし、食べるから作る、作るから食べる。
発酵を作るのに資格なんかいらなかったし、口頭レシピを元に、自分好みに試行錯誤していく。
それが私が感じて来た発酵だったんだと気づきました。
何か資格を持っていた方がいいんじゃないかと、結構な金額かけて取りましたが、結局その認定資格を使う事なく、今に至ります。
私のお伝えしたい事は、自分の暮らしで繰り返し積み重ねていくこと。
発酵は一つのツール。知恵と工夫へと繋がり、目には見えない菌達との交流は、先人達が使っていたであろう感覚。
知恵と工夫を生み出す力、第六感、敬意と感謝は恩恵へと導かれる。
(上の写真は水溜りにはまっていたトンボを助けた後、指に止まっているところ)
糠漬けのお世話をし、へしこや味噌を毎年仕込み、塩麹や醤油麹などを使って、毎日お料理する。全ては暮らしの中に。
いい塩梅にどうやったら出来ますか?と質問をいただくと、何故か出来るとしか言いようがない(笑)
マニュアルがない感覚。
それこそが先人達がやっていたことなんだと思います。
自然からの恩恵をキャッチ出来るようになって、気づけば、苦悩とは無縁になってました。(人生語れば良く生きていたよねって言われます)
発酵を通して、人生が拓く。
もうすぐ始まる発酵オンライン講座の中にも(近々募集始めます)、人生のヒント散りばめています。
私が感じてきた深い発酵の世界は、安心と溢れる幸福感に包まれる日々。
流行は作られるモノ、知恵と工夫は受け継がれていくモノ。