発酵料理家たやまさこです。
知り合いの方から「ビワマス釣ったし、食べる?」と電話をいただきました。
細かい鱗とぬめりを一緒に落として、二枚におろして。
ビワマスはサケ目サケ科に属する淡水魚で、琵琶湖にのみ生息する固有亜種。
そういう魚が身近に手に入る暮らしの高島です。
鮎炊いたし食べるけ?とか、鮒鮨漬けたし食べるけ?お漬物や野菜などなど、頂き物が多いんです。
そして、今回はへしこをお返しに、
2度目の夏を迎えたへしこは、タンパク質の分解が進んだメイラード反応の色艶も、味も深くなってました。
発酵の醍醐味は、この味や香りの変化にあります。
へしこワークショップで、10匹漬けていただくのには理由があるんです。
10ヶ月程で完成し、その後、取り出す度に香りが変わり、途中好みの香りではなくなったとしても、2度目の夏を迎える頃に、芳醇な香りと味に変わっていく。
発酵の変化を、ご自身で体験していただきたくて。
初めてのことは、どれが正解なのか不安になりますが、大丈夫!
「こうかな?」を定める感覚を身につけていくと、自ずと判断が出来るようになっていきます。
菌達の営みを、香りで読み取れるように。
発酵は特別なことではなく、暮らしの中にあります。
食材を保存する知恵。
日々の暮らしに活かされ、毎年作る物、無くなったら作る物。
それは、作ることで満足するのではなく、使って(食べる)こそなんだと思います。
暮らしの中の「発酵」