発酵料理家たやまさこです。
暖冬でこんなにも雪が降らないのは、初めてに近い。
1月に水仙が咲き、お天気だとてんとう虫を見かけたり。
雪が降らないと土の雑菌が死滅しないので、作物の出来はどうだろう?とか、琵琶湖に雪解け水が流れないと水位や水の循環が心配、という話を聞いたこの冬。
発酵の環境も暖冬だと、いつもは繁殖しない菌が活動を始めたり、雑菌も増えたり。何かしら発酵物の出来が変わってきます。
去年漬けたへしこも、夏の猛暑で前年とは漬かり具合が明らかに違う。
寒さで雑菌から守られて、春の暖かさから夏に向けて少しずつ進んでいく「発酵のリズム」
壮大な菌の営み。
猛暑や暖冬…。今の環境にあった営みをしている菌達。
それは人にとって、良いものとは限らなくて、これから仕込む時期とか温度管理とか、調整が必要になってくるんだろうなぁ〜。
と色々考えていた時、やっと雪が降りました。
例年に比べると序の口ですが(笑)
数年前、大雪の時は学校が休校になり、家の中に置いてあった猫の飲み水が氷ました。
寒の水ってご存知ですか?
寒の水で仕込むと美味しく出来る味噌。
一番寒い時期の水には、雑菌が少ないから。昔の人の感覚は素晴らしい。
今は腐敗しない色んなやり方があるので、寒の水って?と知らない方も多いです。
お山に住んでる友人が、寒の水いる?と連絡くれたり。有難い環境です。
特別な事じゃないことだった事が、特別になりつつ。
まだそういう暮らしの営みを感じる事ができる、高島です。