発酵料理家たやまさこです。
へしこは樽ごとに味が違うんです。うちには10匹の樽、20匹の樽、30匹の樽と3種類ありました。
10匹20匹の樽は、開けるといい香りでしたが、30匹の樽はなんだか違う!
うまく説明出来ませんが、ちょっとバランスが悪い香りがする!糠の味もイマイチ!
サバ一段分を掘り起こし、空気に触れさせ1時間ほど放置。元に戻して重石を乗せて。2週間後また樽を開けて香りを確認。
もう少し!別の樽の糠をたっぷりまでて、元に戻して。
数週間後、樽をあけて香りを確認。
今度はいい香りと醤油の風味の美味しい糠になってました。
あれ?誰かに教えてもらったわけでもないのに、対処の仕方がわかる。
小倉ヒラク君の日本発酵紀行に「あっ麹が呼んでる」って書かれてあって、私にも発酵菌がこうだよ〜とアドバイスをくれている、そんな気がします。
発酵の醍醐味は、発酵菌とコンタクトが取れるようになること。
「これをこうするといいんじゃないか?」
あぁーやっぱり!
やり続けるうちに、身につく感覚はマニュアルに出来ない。
発酵が受け継がれてきた感覚は、繰り返し暮らしの中の営み。生活の知恵と工夫。
その土地で、気候風土によって違ってくるし、同じように出来ないけれど、自分の暮らしにあうよう工夫すると、自分の発酵食文化が出来てくるんだと思います。
私が毎年漬けるへしこも、福井県の漬け方とは全然違っていて、水分量が低く、どこで漬けても美味しく漬かるようになっています。
発酵はブームじゃなく、暮らし・営み。
その土地の発酵をお取り寄せして、その土地の文化や暮らしに触れ、楽しむのも良いし、自分流にアレンジして暮らしの中に取り入れていくのもいいし。
これから毎年流行するであろうコロナ!私は、発酵を取り入れてやっつけるぞーとは発信しません。
淡々と今を暮らす。
母が入院しているので、電車で病院に付き添う日々の対策は、疲れを溜めない、きちんと食事を取る、手洗いやエッセンシャルオイルでウイルス対策。
田舎にいると濃厚接触にもならないし、換気も良いです(笑)
菌が強くなり、人間が弱くなってきているのかな?菌と共存して暮らしてきたけれど、便利になった分、なくしたモノも多いはず。私達は地球から、何のメッセージをいただいてるんだろう。